おすすめマンガ。九井諒子先生「ひきだしにテラリウム」感想①

 

 おっはようございまーす。今日も今日とてブログを綴ります。本日は、マンガをおススメします。その名も、「ひきだしにテラリウム」。こちらは九井諒子先生の作品となっております。

簡単にいってしまうと、SS(ショートショート)というジャンルになると思います。この1冊の中に、33個もの作品が収録されております。

ショートショートって、なんかお得感しますよね。1冊しか本を買ってないのに、何十話もの作品が読めるんですよ。しかもどの作品もそれぞれの世界があって、読んだ後もその世界が続いていくと思うと…….想像するだけで凄い、広い、です。

そんな意味で、この表紙はとってもgoodだと思います。

 

 

 

なんだかいろいろな時間軸と、いろいろな世界観が入り交じった感じが、僕の琴線に触れました。僕は九井先生のマンガを読んだのはこの作品が初めてなんですけど、買った理由も表紙にひとめぼれってやつです。

 

 

 

まあ表紙ばっか解説しててもつまんないと思うので、中身に入っていきたいと思いまーす。

 

 

①すれ違わない

遠い遠い未来のお話。
「思いを伝える方法が進歩した」世界。この世界では、人の感情を伝えるのに特殊な棒を使っていました。耳かきみたいなやつです、こんな感じの↓

この棒部分を自分の鼻に差し込んでから相手の鼻に差し込むとあら不思議。自分の考えてることがぜーんぶ相手につたわっちゃいます。

この棒のおかげで未来の人たちは誤解を解消できるんだけど、絵面がなんともシュール。どじょうすくいみたいな見た目で、「僕の思いが伝わって良かった」なんてキザな感じのセリフをつぶやくわけですからねえ。

 

でもこの棒、ほんとに開発されたらどうなっちゃうんだろう。なんだか伝えたいことだけじゃなくて、自分の相手に対する気持ちぜんぶ伝わっちゃうみたいなんです。誤解を解消する前に、大ゲンカになりそうな予感。

鼻の粘膜接触で病気とか移らないんですかね…….心配が尽きない。医学部とはいってもまだ1年なんで全然わかんないですけど。

 

 

②湖底の春

故事成語をあげてみてと言われて、何かぱっと思いつきますか?

中学校でやったようなものとか、たくさんありますね。矛盾、推敲、朝三暮四、人間万事塞翁が馬、とか。

日本のことわざとか慣用句だったら、急いては事を仕損じる、出る杭は打たれる、灯台下暗し、大事の前の小事、とか。

湖底の春は、そんな故事のお話。まるで童話のようです。

 

「長い長い冬があり、村人たちは春の精が湖の底にとじこめられてしまったのではないかと心配しました。そこで村の青年が森の奥の湖を見に行くことにしました。
しかし冬景色の中を進み湖の底を見ても、そこには魚しかいませんでした。

青年は次の日も、その次の日も湖を見に行きました。するとある日、水面に小鳥が木の実をくわえて飛んでいく姿が写りました。

それから青年が湖を見に行くたび、どんどん湖は春に近づいていきました。

ついに湖の中の木々が満開の花を咲かせ、木の実をつけ、水面が完全な春を迎えると、青年はいてもたってもいられなくなり、湖に飛び込みました。

けれど、彼は気づいていませんでした。

見上げればすぐそこに春がきていたことを。

湖の中の春は水面にうつった春だったということを。

 

焦って事を急くと周りが見えなくなり手痛い失敗をしてしまう。一度冷静になって回りを見渡すことが大切だ。

ということを教訓として、この国には『水に飛び込む』という故事があるそうです。」

 

あれ…….調子乗って書いてったけど、これは要約なのか…….?あらすじなのか…….?最後のほうマンガの中の文章がきれいすぎてそのまま写すだけになってしまいました。

まあいっか。自然がいっぱいのいいとこですねこの物語の中の世界は。僕もこれまでは田舎暮らしだったのですが、大学に通うに際して上京してきまして。

僕がすごしていた町は本屋がなかったので、本が買いたいときに買いにいけるというのはうれしいですが…….都会にきてしまったらきてしまったで地元の自然が懐かしくなります。

 

③ 恋人カタログ

これはちょっと気になるカタログですよ。現実に存在したら、欲しくなる人もいるかもしれません。

タイトルの通り、「恋人カタログ」を主軸にしたお話です。恋人カタログには、今後あなたが出会うであろう恋人候補が載っているのです。

 

…….とはいっても、恋人候補が数えきれない程だったり、もしくは1人もいなかった場合は難しいかもしれませんが。

マイナスにはならないのでそこは安心ですね。(←ちょっと自分でも何言ってるかわからないですけど)

はてさて、ともかくこの恋人カタロ、ある青年が同僚からもらいました。彼は今、勤めている会社の社長令嬢と交際しているのですが、どうも彼女が無口で打ち解けられません。

とはいっても社長令嬢。決まった相手もいない状態なら、このまま結婚までいくのかな、とも思っていた矢先にカタログをもらったのでした。

たいして期待もせずパラパラと開きましたが、なんとそこにはたくさんの女性の顔写真と性格についての記載が。彼はそのうちの1枚の女性に目を留めます。

 

この子がまた、とびきりかわいいんですね。あの社長令嬢とは対照的に、写真をみるだけでも明るそうな感じも伝わってきます。

この写真を見た彼は、こんな女性が将来恋人になるのなら、と社長令嬢とわかれることを決意したのでした。
彼は彼女に、「大事な話があるから近いうちにまた会おう」と電話をします。

そして、別れを切り出す日。彼は自分の将来を考えます。
「社内の居心地も悪くなるだろうし、最悪昇進も見込めないかもな…….」

「でも、これで良かったんだよな」そんなふうに考えていました。しかし、

「遅れてすいません!」と呼ばれて振り返ると、そこには……。

ギャルがいました。それも厚化粧で、まさにバブル時期かよみたいな。彼が面食らっていたところに、彼女は焦ってしゃべりどうします。どうやら今まで、緊張してしまっていたせいでろくに会話もできなかったようなのです。

おそらく呼び出されたのは別れ話なのだろうとさすがの彼女も気づいたんでしょうねえ。それがきっかけになって、彼女も彼の前で吹っ切ることができた。

 

そんな彼女を見て、彼は吹き出します。
「なんだ、僕はまったく君のことを知ろうとしていなかったじゃないか」

結局、彼は社長令嬢の子と結婚することにしました。彼は彼女と生活していくうちに、彼女のいろんな性格を、良さを、見つけていきます。そして、何年もたったある日、彼は彼女と出かけたところで、デジャビュを感じます。

彼女は、あのカタログに載っていた、とびきりかわいいあの子だったのです。

 

「なんだ、全部君だったんだな」

彼はあのカタログに載っていたたくさんの女性の正体に気付くと、黙ってカタログを閉じたのでした。

ただ、最後のページに載っていたおばちゃん、よくいる夫が尻にしかれそうな女性の写真のことを思い出し、「まさか、な…….」とひとりごちるのでした。

 

いやー、やっぱりショートショートはしっかりオチがあるのがいいですね!先の展開を予想させたり、想像させたりするようなオチがあることでよりその作品世界に愛着がわいてくるんだと思います。
星新一先生とかのSS読んでてもやっぱり思いますよ、ストンと落ちるようなオチ、これがあるとしっくりきます。(って、オチの意味そのままか)

 

はてさて、なんやかや三つしか作品を解説できなかったんですけども、ここらへんを読んでこの作品が気になりましたら是非に!おすすめです。ではまたお会いしましょう~。

 

 


eipin219

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